歯と
健康

人生100年の時代。

一生を支える、健やかな歯へ。

目標よりも、まずは「土台」から

早寝早起きが健康にいいというのは、誰もが知っていることですよね。

でも、ここでちょっと考えてみたい大切なポイントがあります。

それは、心に大きなストレスを抱えているときに、はたしてぐっすり眠れるだろうか?ということです。

対人関係の悩み、健康への不安、お金の心配……。

このような問題があると、どうしても安眠は妨げられてしまいます。

悩みの一つひとつが解決して、ようやく規則正しい生活への一歩が踏み出せるようになるはずです。

つまり、大切なのは「早く寝よう」と意気込むこと以上に、安心して眠りにつけるような「生活の基盤」や「心の土台」を整えてあげることではないかと思うのです。

猫のイラスト

土台としての歯

私たちの健康を突き詰めて考えてみると、実は「歯」こそがその土台に近い存在であることに気づかされます。

栄養を摂るという活動は、まず「歯で噛むこと」から始まります。

よく噛むことで胃腸への負担が軽くなり、エネルギーを効率よく吸収できるのです。

「おいしく食べられる」という毎日の喜びも、健康な歯があってこそ守られるものですよね。

しかし、歯の役割は単なる「食事の道具」だけではありません。

最近の研究では、歯と全身の健康には、私たちが想像するよりもずっと深いつながりがあることが分かってきています。

殺し屋ナポレオン

残りの歯と健康

最近の研究では、80歳になっても20本以上の歯を保っている人は、そうでない人に比べて病気にかかりにくく、元気に長生きされていることが分かっています。

こうしたお話を聞くと、「もともと健康意識が高い人だから、結果的に長生きしているだけじゃないの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、実は話はそう単純ではないんです。

持病の有無や運動、食事、睡眠、タバコといった、他の生活習慣の影響をデータ上で取り除いて考えても、なお「自分の歯がたくさん残っていること」そのものが、死亡率や認知症のリスクを下げてくれるという結果が出ています。

「歯の状態が良い人ほど、健やかで豊かな人生を送りやすい」という事実は、私たちがこれから毎日を心地よく過ごしていくための、心強い指針になってくれそうです。

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歯周病と健康

歯周病は、歯を支えている歯ぐき(歯肉)や、土台となる骨にダメージを与えてしまう病気です。

ちょっと意外かもしれませんが、これはお口の中だけの問題ではありません。実は、全身の健康にも深く関わっていることが分かっています。

例えば、糖尿病や誤嚥(ごえん)性肺炎、脳梗塞、さらには認知症といった病気。

これらは歯周病によって、進行を早めてしまうという一面があるのです。

このように、お口の健康と全身の健康は、切っても切れない密接な関係があります。

下のボタンから、それぞれの病気とどのように関わっているのか、ぜひチェックしてみてください。

あなたが車を一台持っていて、一生その車にしか乗れないとしよう。

あなたはその車を大切に扱うだろう。

ウォーレン・バフェット
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糖尿病

歯周病が引き起こす病気として、最もよく知られているものが糖尿病です。

歯周ポケットが広がると、歯ぐきの内部では炎症を引き起こす歯周病菌や炎症物質(TNF-αなど)が大量に作られます。

炎症物質(TNF-αなど)は、歯ぐきの毛細血管を通じて全身の血液中へと流れ出します。

その結果、体内の血糖値が下がりにくくなり、糖尿病の悪化につながります。

また、糖尿病の悪化によって身体の免疫力が低下するため、お口の中の細菌がより繁殖しやすくなり、歯周病がさらに進行するという悪循環に陥ります。

これが「一方が悪化すれば、もう一方も悪化する」「負のらせん構造」などと呼ばれる理由です。

しかし、逆に言えば「適切な歯周病の治療を行うことで、糖尿病になりにくい身体を作れる、または現在の糖尿病の症状を改善できる」ということでもあります。

以下、信頼できる国の公式の情報サイト(go.jpドメイン)から引用します。

歯肉の炎症をコントロールできればインスリン抵抗性が改善し、血糖コントロールも改善するということが、日本での研究を含めた多くの臨床研究で報告されています。

歯周病と糖尿病の深い関係 (引用元)

心疾患、脳梗塞

糖尿病と同様に、歯周病菌や炎症物質(TNF-αなど)が全身を巡ることで、重篤な症状が引き起こされます。

歯周病菌は血管の壁にへばり付き、徐々に血管を狭めていきます。

また血管の壁自体にも持続的なダメージを与えます。

これにより血管が厚く硬くなり、動脈硬化を促進させます。

この「動脈硬化」が心臓付近の血管で起きた場合は心筋梗塞または狭心症、脳の血管で起きた場合は脳梗塞と呼ばれます。

統計では、歯周病の人はそうでない人に比べ、脳梗塞になる確率が約2.8倍高くなると言われています。

認知症

認知症もまた、歯周病と深い関わりがあることが分かってきました。

歯周病菌やその毒素が血液に入り込み脳へ到達すると、脳内に「アミロイドβ」という老廃物(異常なタンパク質)を蓄積させます。

この「アミロイドβ」が神経細胞を破壊し、脳を萎縮させることで認知機能を低下させていくのです。

また、歯周病で歯を失い「噛む回数」が減ることも、脳への刺激を減少させ、認知症を悪化させる一因となります。

台湾で50歳以上の⻭周病患者9291⼈と健康な1万8672⼈を10年間追跡した結果、慢性⻭周炎のある⼈はない⼈と⽐べてアルツハイマー病発症のリスクが1.7倍⾼くなったことが報告されています。

歯周病と認知症の関連について (引用元)

このように、歯周病治療で「脳への毒素」を減らし、「しっかり噛める歯」を残すことは、脳の健康を守ることに直結しています。

早産リスク

妊娠中はホルモンバランスの変化により、歯ぐきが腫れやすく「妊娠性歯肉炎」になりやすい状態です。

歯ぐきの炎症によって作られた炎症物質が血液に入り、子宮に到達すると、体は「出産準備が整った」と勘違いしてしまい、子宮の収縮を促してしまいます。

その結果、予定日よりも早いいわゆる「早産」や、胎児の成長に影響する低体重児出産を引き起こすリスクが高まるのです。

歯周病であることは、早産に対しては4.28倍、低体重児出産に対しては2.3倍、早期低体重児出産に対しては5.28倍であったと報告した。

歯周病と早期低体重児出産との関連 (引用元)

お母さんの体と赤ちゃんは、血液を通じてつながっています。

お口を清潔に保つことで、赤ちゃんが過ごす環境を整えてあげることにつながります。