義歯(入れ歯)

食事は人生の大きな楽しみのひとつです。

ピッタリ安定した義歯(入れ歯)による食事は、人生の幸福度を大きく上げます。

義歯には容姿を良くする効果もありますが、それだけではありません。

近年の研究によると、噛むことは脳に刺激を与え、認知症の予防に大きく貢献するとされています。

素材ごとのメリット・デメリットを知ることは、ご自身に適した義歯を選ぶ一助となります。

Comfortable dentures change everything.

詰め物・被せ物

歯の一部を削るような治療をした後は、何らかの補綴物ほてつぶつで欠損部を埋めることになります。

歯の大部分を削るような治療の場合では、欠損部を埋めるのではなく、補綴物を残った歯にすっぽり覆い被せるような処理を行います。

それぞれ「詰め物」「被せ物」と呼ばれ、さまざまな素材が使われています。

ジルコニア

陶歯(セラミック)の中では、もっとも主流な素材です。

セラミックは摩耗しにくい耐久性、変色しにくさが大きな特徴です。

特にジルコニアは非常に硬く、人工ダイヤモンドとも呼ばれるほどの強度があります。

欠けたり、割れたりするリスクが低いため、奥歯などの強い力がかかる部位に最適です。

光の透過性が低く人工的な白さになりやすい素材でしたが、現在では「高透光性ジルコニア」の開発によって、透明感が向上しつつあります。

自由診療(保険適用外)となるため、他の素材と比べて費用は高額になりやすいです。

オールセラミック

セラミックの中では透明感があり、自然な歯に最も近い義歯です。

その美しさから、前歯に使われることがあります。

ジルコニアと同様、摩耗しにくい耐久性・変色しにくさがあります。

硬さが自然の歯と近いため、噛み合う歯も均等に摩耗し、互いに傷つけ合うリスクが最も低くなります。

反面、割れやすく、歯を食いしばるなどの強い力が加わると欠けてしまうことがあるので注意が必要です。

自由診療(保険適用外)となるため、他の素材と比べて高額になりやすいです。

CAD / CAM冠

セラミックとレジン(歯科用プラスチック)をかけ合わせた「ハイブリッドレジン」という素材です。

白い素材で目立ちにくいですが、やや変色しやすいです。

この程よい審美性は、奥歯の素材により適しています。

固いセラミックに、しなやかさをもつレジンが混ざることで、割れや欠けのリスクが低減します。

耐久性は私たちの歯よりもやや劣るため、5年以上の使用で噛み合わせが悪くなる可能性があります。

2024年の診療報酬改定により、すべての歯に保険が適用できるようになりました。

銀歯(金銀パラジウム合金)

歯科では昔から使われている、いわゆる銀歯です。

使われているのは「金銀パラジウム合金」という素材になります。

これは金、パラジウム、銀、銅などで構成される合金です。

耐久性が非常に高い反面、噛み合う歯を傷付けてしまうリスクがあります。

銀色で目立ち変色もあるため、審美性は良くありません。

金属イオン溶出、金属アレルギーなどのデメリットもあります。

それほど多く削らない時は、銀歯の方が適切になります。

すべての歯に保険が適用されます。

ジルコニア オールセラミック CAD / CAM冠 銀歯
審美性
耐久性
アレルギー
保険適用
ご負担

入れ歯

入れ歯には、歯が残っている時に使われる「部分入れ歯」と、歯が全く残っていない時に使われる「総入れ歯」があります。

総入れ歯には人工歯が使用され、部分入れ歯にはそれに加えてクラスプ(バネ)が使用されています。

総入れ歯 部分入れ歯

しょう

入れ歯を支える「土台」であり、「歯ぐき」の代わりになる部分です。

レジン床(歯科用プラスチック)

レジンと呼ばれる、安定した歯科用プラスチック素材です。

床が厚く広くなるため、異物感や違和感が強く出やすいです。

熱が伝わりにくく、食事の温度を感じにくいです。

総入れ歯では厚みにより、発音に影響が出ることがあります。

強い衝撃で割れるリスクがあり、修理が必要になることがあります。

審美性は悪くありませんが、着色しやすさがあります。

保険が適用されるため、価格はかなり安くなります。

金属床

「コバルトクロム」や「チタン」などの金属で作られています。

金属床は薄く、装着した時の違和感が少ないです。

熱伝導性が高く、温度を感じやすいため、食事が美味しく感じられます。

衝撃には強く、レジン床よりも長持ちします。

部分入れ歯の場合は薄く作ることができる分、修理が難しい場合があります。

価格の安さを優先する場合はコバルトクロムを、アレルギーリスクを極限まで避けたい場合はチタンをおすすめします

コバルトクロムはアレルギーのリスクがありますが、チタンはアレルギーのリスクが非常に低いため、アレルギー体質の方におすすめできます。

高度な加工技術が必要になり、自由診療(保険適用外)となります。

金属床では、生体適合性の高いシリコンを敷き詰めてクッションのような緩衝材ににして、痛みを軽減することも行われています。

レジン床 金属床 金属床(シリコン含)
快適性
美しさ
耐久性
保険適用
ご負担

人工歯じんこうし

食事を噛み砕く、入れ歯の「歯」そのものの部分です。

レジン歯(硬質レジン)

先程レジン床でも登場した、歯科用プラスチック素材です。

レジン床と同じ素材ですが、床と歯ではそれぞれの用途に応じて、特性が調整された異なる種類のレジンが使われています。

レジン床がフィット感や弾力性を重視したアクリル系であるのに対し、レジン歯は「耐摩耗性」「硬度」「審美性」を重視した硬質レジンやコンポジットレジンを使用します。

陶歯(セラミック)

かぶせものでも登場したセラミック素材です。

人工歯を固定するためのレジンとの接着性から、長石系ポーセレンが使われます。

クラスプ

入れ歯が動かないように固定する「ひっかけ」のことです。

金属の場合は摩耗しにくく、長期間安定して使用できます。

破損、残存歯の状況が変わった時に、金属を溶接するなどして修理や補強が比較的簡単にできます。

一部の金属は、保険が適用されます。

金または銀色なので、笑った時などに目立ちやすいです。

コバルトクロム合金

非常に強度が高く、薄く作ることができます。

耐久性にもすぐれており、クラスプとしては最も一般的な素材です。

腐食しにくい素材ですが、アレルギーを引き起こす可能性があります。

保険が適用されます。

チタン合金

非常に軽量で生体親和性が高く、金属アレルギーのリスクが低いです。

コバルトクロムよりも高価な素材です。

自由診療(保険適用外)になります。

金合金

しなやかさがあり、調整がしやすいです。生体親和性も高く、金属アレルギーのリスクが低いです。銀色よりもやや金色がかっています。

自由診療(保険適用外)になります。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、金属のバネの代わりに、弾力性のある特殊な樹脂(プラスチック)で入れ歯を固定します。

薄くても強度があり、バネ部分を歯ぐきに近い色で作れるので、審美性は非常に高くなります。

金属アレルギーの心配がありません。

ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂などがあります。

コバルトクロム チタン合金 金合金 ノンクラスプ
審美性
耐久性
アレルギー
保険適用
ご負担